機器排熱
工場・設備の安定稼働と省エネを妨げる「熱の問題」を解決
工場や事業所において、「機器排熱」は、単なる「暑さ」の問題で終わらず、生産性の低下や設備トラブル、そしてエネルギーコストの増大に直結する重要な課題です。
投入されたエネルギーの大部分を熱として排出する産業機器(コンプレッサー、ボイラー、加熱炉など)の排熱を放置することは、大きなリスクとなります。
機器排熱がもたらす問題点を明確にし、それらを解決するための「環境改善(熱の遮熱・排出)」と「排熱の有効活用(省エネ)」の二つのアプローチによる具体的な対策を解説します。
機器排熱が工場にもたらす3つの深刻な問題
機器の故障・性能低下
産業機器には、それぞれに推奨される周囲温度(例:コンプレッサーは40℃以下)があります。排熱が滞留し周囲温度が上昇すると、機器のオーバーヒート、制御盤の誤作動、作動油の劣化などを招き、故障のリスクが高まります。
作業環境の悪化と生産性の低下
熱気が滞留すると、作業空間全体の温度が上昇し、熱中症のリスクが増大します。従業員の集中力や作業効率が低下し、生産性の低下に直結します。
エネルギー効率の悪化
空調設備や冷凍機、コンプレッサーなどは周囲温度が高い環境で稼働すると効率が低下し、より多くの電力を消費します。
例えば、コンプレッサーは吸気温度が10℃上昇すると必要な動力が3~4%増加すると言われています。これは「増エネ」となり、電気代を押し上げます。
熱の「排出」と「遮断」による環境改善
熱を工場内にこもらせないための「熱の逃がし方」と、外部や他の機器からの熱を「入れない・伝えない方法」で、安定稼働に最適な環境を整備します。
換気・排気システムの最適化
発熱源となる機械(例:加熱炉、コンプレッサー)の近くに吸排気フードや排気ダクトを設置し、熱気が工場内に拡散する前に直接屋外へ排出することで温度を下げることができます。
また、熱気は上昇するため、排気口(ルーフファン、排煙窓など)を建物の高い位置(屋上や棟部分)に設置、給気口は低い位置に設け、新鮮な空気を取り込み、熱気を効率的に押し出す空気の流れを作り、循環させることでさらに効果は高まります。
熱源の「遮断」と「隔離」
排熱機器の周囲や作業空間との間に遮熱カーテン・ビニールカーテンを設置し、熱の拡散を物理的に防ぎます。
また、熱を放出する機器や配管自体を遮熱シートで覆い、熱放射(輻射熱)を反射させ、周囲への放熱を抑制します。
工場の屋根や外壁に遮熱塗料を塗布するか、遮熱シート・断熱材を施工することで、太陽光(輻射熱)による外部からの熱の侵入を大幅にカットし、空調負荷を軽減します。
こんなことお困りではありませんか?
過熱水蒸気式焼成機の問題
HACCP(ハサップ)対応の新工場を増築し、過熱水蒸気式焼成機を設置し試運転を開始した。
開始直後から焼成機本体からの輻射熱や配管バルブからの熱で作業室内の温度が50℃を超えてしまい、生産が出来ない状態となってしまった。この熱気を何とか排出しなければ生産開始困難なため島守ダクトに相談となった。